男性型脱毛症であるAGAは、男性だけでなく女性も症状が現れることがあり、一般的には抜け毛の量が増えて新たな髪の毛が生えにくくなるという症状で、徐々に薄毛が進行していきます。これには男性ホルモンが大きく関係していることが近年の研究で明らかになっており、日本でも専門の医療機関が多数ありますが、そこで行われる治療にはいろいろな種類があり、その人の症状などによって治療法を適宜変えています。

 

 

薄毛や抜け毛の治療というのは、一般的な病院では十分な治療は受けられません。元々、医療機関というのは基本的に疾患などを治療する目的で利用しますので、特に健康に影響があるわけではない薄毛治療の場合には保険診療の対象ともなりません。そのため、全国にはいくつか薄毛対策を専門としているクリニックができており、医療機関だからこそ使える薬や治療法を用いて、市販の育毛剤などでは期待できないような重度の薄毛も改善させています。

 
具体的な治療内容は、大きく分けて飲むタイプや塗るタイプの育毛剤を使用したり、成長因子の投与をしたり、検査をしてその人の抜け毛の原因を調べるなどの内容が中心となっていますが、初めてクリニックに出向くと、大体どこでもまず血液検査や頭皮の状態のチェックを行います。血液検査で男性ホルモンのバランスの乱れが原因であると判断された時には、ホルモンバランスを整える作用のある飲み薬を中心とした治療を行います。一般的にはプロペシアなどのフィナステリドを配合した飲み薬を処方しますが、これは男性のみに利用しており、妊娠や月経周期など、ホルモンバランスの乱れが大きなトラブルを招く恐れもある女性には使用しないことになっています。この成分は、一日に1mg摂取すればよいだけですが、継続的に利用することで抜け毛の改善効果がさらに高まるといわれていますので、忘れずに飲み続ける必要があり、一日一錠となっている商品が多く、処方してもらうのに大体一か月で1万円程度が必要になります。

 

 

国内では医師の処方がなければ購入できませんが、安価な海外からの個人輸入品を利用している人もいますが、検査などで原因がホルモンバランスの乱れかどうかを確認したり、一定期間治療を行って、その治療が患者に効果的かどうかを確認する経過観察ができなくなってしまいますので、できればクリニックでの治療を選ぶのが得策です。また、頭皮に塗るタイプのミノキシジルなどの治療薬もあり、こちらは頭皮の血行を活発にして、新しい髪の毛をはえてきやすくする効果がありますので、飲み薬と併用して処方されることも少なくありません。飲むタイプもありますが、基本的にはガイドラインに従って、頭皮にダイレクトに浸透する塗り薬として使用することが多くなっており危険性が少なく副作用もほとんどありませんので、安心して使うことができます。このほかにも、頭皮の栄養バランスや環境を整える育毛メソセラピーや成長因子の投与など、様々な治療法があり、医師は検査の結果や患者の希望なども取り入れながら、最適なプランを用意して治療を行っていきます。

 

 

このように、クリニックで治療を受けることによって、AGAはかなり改善されるといわれており、実際に9割以上の人がクリニックに通うようになってから何らかの改善効果を実感しています。一方で、自由診療のために長期の治療となると時間だけでなく費用もかなりかかってしまい、治療の途中で通うことをあきらめるといったケースも少なくはありませんので、まずは検査とカウンセリングを受けて、自分の治療の希望を計画するときに、費用面に関しても相談をして無理のない範囲で始めてみましょう。